荒縄を角材や石、樹木に巻きつけて連続させ、ものの繋がりと作品の領域や空間との関係をテーマにした作品です。

 　美術は現在、作られ過ぎ,また説明され過ぎた概念の下で、逼塞されているように見受けられます。このような状況では、表現の復権が問われるようになったとしても、その自立、再評価が悪戯に主体性という言葉の下での趣味性へと流れていく傾向にあります。

　美術における有意性を問い直すこと。ここでいう有意性とは、美術作品（行為までも吹くめて）が内包する意味を指しているのではありません。作り出していく行為、運動、時間までも含めて、作り出されたものが、作られ過ぎた概念により規定されている状態を問題にし、それとのかかわりにおいて美術が定義されていく意味性を指しています。